探検隊フォトショット集

サロベツ湿原探検隊が道中で撮影したフォトショット集。
一帯は高山植物の植生があるようで、珍しい植物もあった。

※自然公園法で特別保護地区として指定されている地域です。
立ち入りには文化庁の許可が必要となります。
無断での立ち入り、植物などの持ち帰りなどは法で罰せられます。




一日目:10月26日

 
ビジターセンター南側1 ビジターセンター南側2 ビジターセンター南側3  
ビジターセンターの南側は泥炭の採掘跡が残る湿原地帯。今では植生が戻ってきているが、泥炭を掘った縦長の跡が色濃く残る。湿原をぐるっと一周できる木道が敷かれている。季節が悪く一面が茶色だが、5〜9月はさまざまな草花が色とりどりに咲く(豊富町観光協会)。

  
ビジターセンター北側1 ビジターセンター北側2  ビジターセンター北側3  
ビジターセンターの北側は一般では立ち入ることができない湿原地帯。北東には遥かかなたに利尻富士を望む。訪れは初日は天候に恵まれ、霞んではいるものの利尻富士を目にすることができた。

   
利尻富士を望む1 利尻富士を望む2    
天候がよければ、ビジターセンターからは利尻富士が見える。ビジターセンターから利尻富士までは直線距離にして35kmあまり。利尻島へのアクセスは、稚内港からフェリーで鴛泊港まで1時間40分となる。

ビジターセンター レストハウス トイレ 鳥獣保護区看板
昭和61年に建設されたビジターセンター。一面が泥炭・湿地帯の中に建設物があるのは奇妙だが、ここの地盤を固めるのに7mの砂利を埋めているらしい(ビジターセンターおばちゃん談)。レストハウスではラーメン(だけ)が食べられる。また、かつて車がなく馬で物を引いていた頃の話で、この近辺の至る所で「馬が埋まっている」というのだ。これはダジャレでもなんでもなく、色々なところに小さな穴が開いているそうで、その奥底は穴よりも広い空洞になっているそうだ。馬はその穴に足を踏み外して、もがくほど中に引き込まれ、生き埋めになることが頻繁にあったようだ。ビジターセンターのおばちゃんはとてもこの地域に詳しいので、機会があったら色々と話を聞いてみるのも良いだろう。

二日目:10月27日

泥炭採掘工場跡 使われていない倉庫 一面が草で覆われる 捨てられた設備
担当官の同行のもと、一般では踏み入ることが許されない泥炭採掘跡地に入る。道路から南側に広い地盤のよい空き地が広がっていて、今では使われていない倉庫や錆付いた何かの設備が野ざらしになっている。この辺りは湿原というよりもどこにでもある地盤がよい空き地である。

一面が湿原 振り返れば 湿原・・・ 湿原湿原・・・
錆付いた何かの設備の脇を抜けると、そこからは景色が一変した。葦だらけの湿原である所々に水溜りがあり、ジュクジュクしている。市販されている長靴程度で充分に歩き回れる(一般の人は立ち入ってはダメ)。振り返ると遠くに建物が見える。ここから先は、同行してくれた担当官でも立ち入ったことがないエリアである。

獣道を行く 水位の高い場所 泥炭がむき出しに・・・ 泥炭と谷地坊主
サロベツ湿原は自然公園法により特別保護地区として指定されている。草花を持ち帰るのはもちろんのこと、この地域内で石ころを移動することも許されない。とは言っても入ってしまった以上、先に進まなければならない。とりあえずは獣道を進むことになる。できるだけ植生に影響を与えないようにする為の、せめてもの配慮。進んでゆくと、やがて真っ黒な地面が見えてきた。泥炭層がむき出しになっているのだ。所々に谷地坊主が生え、これまで見たことがない景色を作り出している。

時々、同行してくれた担当官の「ここには気をつけてください」の指示が飛んでくる。上の写真の左から2番目のような場所を指して「気をつけて」というのだ。皆さんには、違いがお分かりだろうか。我々探検隊にはさっぱり違いなど分からなかった。いや、正確に言うなら、確かに草の生え方が違うということは、よく見た上で気がつく、もしくは指摘された上で気がつく。だが、その生え方の違いから危険かどうかまでは分からない。話では、「水位が高い場所」ということだったので、もし踏み込んでいればズボッといっていたのだろうか・・・。

逆に、草が茂っているところは地盤が良い。その根っこが地中に伸びて地盤を固めているのだろう。ただ、泥炭がむき出しとなり、草も生えていないようなところは要注意で、まるでぴんと張ったトランポリンの上を歩いているような感覚を覚える。その場にしゃがんで作業などをしている横で人が歩くと、ふわふわと地面が揺れるのだ。泥炭層は厚さが2m程度しかなく、その下は水の層があるとのお話。その話を聞いたとたん、探検隊一行がびびったのは言うまでもない・・・。

再び移動 植生が違う 突然現れた沼 やがて笹に覆われる
立ち止まる担当官 採掘時代の残骸が 錆付いたパイプのようなもの
この場所での作業が終わり、一行は移動を開始。担当官にこのエリアの同行を求めておいて大正解であった。同行なしで歩き回った最悪のケースとして、我々の中でズボッとはまるメンバーが出ていたかもしれない。担当官は慣れているのか歩くペースがかなり早い。こちらは軽自動車のバッテリーやらその他機材を背負って移動しているのであっという間に離されてしまう。こんな写真を撮ったりしていたらなおさらだ。

また植生が異なる場所がある。また気をつけての指示を貰う。もっとひどい時は、両腕で示す「この幅からはみ出さなければ安全です」というものもあり、冷や汗ものだ。突然沼も姿を見せたりする。しばらく進むと、担当官が先へ進まなくなった。足元を確認している、左右を見渡している。やがて、右側に大きく迂回するように進み始めた。「歩いては進めない場所」だったようだ。我々が見たら、どうしてそう判断できるのかが分からない。おそらく、その植生を見て、水位の高い場所に生える植物があるから危険、という判断をしているのだろうか・・・。

現れた長方形の池 静かに波打つ 真っ黒な色の水 これは何?
次の目的地に近づくと、左手には長方形の池が現れた。かつて、泥炭を採掘していた時代に掘られた大きな穴で、いまだに大きな池として残っている。他にもたくさん穴が掘られ埋められるなどして植生も戻っているのだが、この穴ははっきりと当時のまま??なのだろうか。池の水はにごっているわけではないが、真っ黒な泥炭色をしている。いままでに見たことがない不気味な光景である。

違うルートで戻る 泥炭にはまる またも採掘時代の残骸 車道跡を移動
このエリアで必要な作業を終えて、ひとまずは撤収することとなった。時間はゆうに昼を過ぎている、腹ペコだ。来た道とは違うルートで戻ることとなった。我々が作業をしている間にも担当官は近辺の状況を確認していたようで、「来た道より安全です」とのこと。同じように泥炭むき出しのエリアがあるのだが、こちらの方はより軟弱で、静かに歩かないと足がはまってしまう。何度も深い足跡を残しながらも、何とか事なきを得る。やがて、昔、車道として使っていた道路跡までたどり着いた。ここまでくれば一安心。ここから車を止めた場所までは数kmはあるり、顔の高さまでの草は茂っているが、湿地帯や軟弱地盤を歩くよりもずっと歩きやすい。何よりも、「安心」なのだ。こうしててくてく歩いて、無事、出発地点に戻った。

第3の地点へ 何という植物? 背丈以上だ これも何という植物??
湿原奥の川淵 泥炭色の川 暗くなってきた! 帰りは暗闇だ
レストハウスで遅い昼食を取り、本日最後の第3の地点へ出発する。今度は、ビジターセンターよりも北側のエリアとなる。泥炭地のように危険性はないと見て、担当官の同行なしで立ち入った。特に危険な場所はなく、歩きづらかったものの目的の場所に到達することはできた。安全に到達できたものの、今度は撤収時間に問題があった。夕方17時を回るとすでに暗くなり始めた。カメラでは真っ暗闇、まるでブレアウィッチ・プロジェクトのような光景??だが、肉眼で見るにはうっすらと見える程度。が、戻っている最中にすっかり日が落ちてしまい、本当に真っ暗になった。おそらく、GPSが無ければ迷ったまたは遭難したに違いない・・・。バックライト付のGPSであったことも幸いして、行きのルートを戻るようにして出発地点に戻ることができた。もう、不安と、疲れと、寒さと空腹でクタクタ、ヘロヘロである。この分だと、豊富温泉直行は間違いないのである。こうして二日目は終了した。

三日目:10月28日

ビジターセンターが遠くに ちょっとジュクジュク・・・ 水辺のミズゴケ
三日目も朝一でホテルを出発。8:30には湿原に入っていた。本日も担当官の同行なし。昨日の経験があったので本日はとても気が楽である。ちょっとしたジュクジュク地盤でも、移動に体力を使うが気持ちは楽であった。ある場所には小さなため池があって、水辺には、この季節の色の中では鮮やかな緑色を持ち、とても綺麗だ。まさかこれが帰り道の危険を暗示しているとは、そのときには知る由もなかった・・・。

さあ戻るぞ! あれ?植生が違う! はまりそう・・・ 一面が水だ!
獣道を戻る この鮮やかな色は・・・! 行く手を阻むミズゴケの川 ようやく到着・・・
お昼前には、今回の出張の目的の作業を終了した。さあ、これからビジターセンターに戻る。建物はずっと向こうに見える。距離にして1.5〜2kmといったところか。最後の気力を振り絞り、移動を始めた。すると、植生が変わったことに気がつく。昨日の経験が生かされた。が、気がつけばすでにくるぶし上まで来るくらいの湿地帯に入り込んでおり、行く先も同じ植生なのでしばらくはこの状態が続きそうだ。歩くたびにハネはあがるし、体力も消耗する。

さすがにこのまま歩き続けるのは厳しいのと、さらに深みがあると危険な為、地盤がよさそうな方に迂回する。迂回するがそれほど変わりは無く、とにかく進むしかなかった。獣道が一本、ビジターセンターへ向けて通っていたので、その道をたどることにする。やがて、色鮮やかなコケが目に入った。コケは我々の行く手をさえぎるように、川のようにビジターセンターへの道のりを横切っている。川の幅は2〜3m程度、とても飛んで超えることができるような幅ではない。試しに足を踏み入れてみるが、あっという間に引き込まれる。危険なのですぐに引き上げたが、どこまで沈むのか分からない。とにかく前に進まなければならないのだが、ミズゴケの川を渡ることができず、100mほど迂回してようやく、先に進むことができた。そんなミズゴケの川が2箇所ほどあっただろうか・・・。最後の最後で足をすくわれそうになる形となり、心身ともにクタクタになりながら帰還することができた。

今回の湿原総歩行距離、約21km。全員、15〜20kgほどの荷物をリュックに背負い、歩き切った・・・。この作業の後、数日間は尾を引いたことはいうまでもない。もう二度とやりたくない・・・そんな想いが残ったのでした。
 
おしまい